下条直樹 小児アレルギーコラム。江戸川区と葛飾区の小児科2院で診療しています。

「小児免疫アレルギー疾患」の第一人者である下条医師による、赤ちゃん・子どものアレルギー疾患についてのコラム。過去にLINEで配信したコラムのバックナンバーです。

アレルギーコラム

第9回『ぜいぜい』と『ぜろぜろ』の違い

下条医師
喘息は、息を吐くときのぜいぜい(呼気性喘鳴といいます)が特徴です。息を吸ったときの(吸気性)ぜろぜろを「ぜいぜい」と医師に伝えると、必要のないアレルギーの薬が処方されることになります。スマホで録音して、医師に聞いてもらうと正しい診断と適切な治療につながります。

第8回 妊娠中の電子タバコも出生児のアレルギーに関連

下条医師
妊娠中の「紙巻きタバコ」の使用は生まれてくるお子さんのアレルギーのリスクになることは、よく知られています。
2022年10月の日本公衆衛生学会で妊娠中の「加熱式タバコ」の使用も、出生児のアレルギーリスクであることが報告されました。
「電子タバコ」が安全ということはないようです。

第7回 食物アレルギーの治りやすさに他のアレルギーの状況が大きく関連する

下条医師
アトピー性皮膚炎・鼻炎・喘息の具合がわるいと食物アレルギーの治りがわるく、症状も強くなります。きちんと湿疹を治療すること。
ダニ・スギの鼻炎がひどい場合には舌下免疫療法を導入する等が有効なことがあります。

第6回 「ステロイド軟膏が効かない」理由

下条医師
① 塗る量や回数が少ない(1日2回たっぷりと)
② 早くやめてしまっている(プロアクティブ療法で)
③ 弱すぎるステロイド(3日塗って効かなければ変更)
④ 掻いてしまうとダメ(包帯や手袋をうまく使って)
 詳しくは、診察時にご相談ください

第5回 湿疹の治療はプロアクティブ療法で行う

下条医師
湿疹が悪化した時だけステロイド外用薬を塗るのではなく1回きちんと皮膚をツルツルにして、その後ゆっくりと塗布回数を減らしていき(1日2回>1回>1日おき)皮膚のいい状態を保つようにする「プロアクティブ療法」。
この方法の方が結果的にはステロイド外用薬の使用量が少なくて済むと考えられます。

第4回 ベビーマッサージに注意!

下条医師
最近のナッツアレルギーの増加の理由はわかっていません。
しかし、皮膚からナッツが体に入ってアレルギーになる可能性が考えられています。英国での調査で湿疹のあるお子さんでマッサージの数が多いほど食物アレルギーが多いことが報告されました。
この結果からナッツなどのオイルをマッサージに用いること、あるいはナッツに触った手を洗わずにマッサージすることがナッツアレルギーの増加に関連するのではないかと推察されています。

第3回 ナッツ(特にクルミ)の即時型アレルギー(じんましん・嘔吐・腹痛・ゼイゼイ)が顕著に増えています

下条医師
なってしまったら基本的には除去ですが、食べられる他のナッツを食べた方が治りが早い可能性があります。また離乳食が一段落した1歳過ぎには、湿疹がなく皮膚がきれいな状況でピーナッツ・各種ナッツを赤ちゃんが食べやすく安全な形(ペーストやパウダー・スライス等)で食べ続けていく事がナッツアレルギーの予防になる可能性が報告されてきました。
食べ方については、医師に相談してください。

第2回 離乳食を遅らせない方が、食物アレルギーが発症しづらい

下条医師
特に卵で証明されていますが、アレルギーが心配なだけで摂取時期を遅くすることは勧められません。
摂取時期を遅くすると、かえって食物アレルギーになりやすいことがわかってきています。
心配ならば、医師や自治体の保健師さんに相談しましょう。

第1回 特殊な食物アレルギー急増中

下条医師
特殊なタイプの食物アレルギー(FPIES:エフパイスといわれるアレルゲン食品を摂取して3時間くらいたってから頻回に嘔吐するタイプ)が急に増加しています。
※特に離乳期の卵黄FPIESが急増しています。
気になること・診断や治療法についてはお気軽に、相談してください。

下条直樹医師_元 千葉大学医学部附属病院前アレルギーセンター長。江戸川区と葛飾区の小児科で診療しています

下条 直樹

<略歴>
千葉大学医学部卒業
前 千葉大学大学院医学研究院小児病態学教授
前 千葉大学医学部附属病院前アレルギーセンター長
千葉大学予防医学センター特任教授
千葉大学医学部附属病院アレルギーセンター客員教授
前 日本小児アレルギー学会理事

<専門分野>
小児の免疫アレルギー疾患

★下条医師の診察を受ける事ができるクリニック
タムスわんぱくクリニック篠崎駅前(LINK)
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